温泉熱を利用した低温度差発電の取組み



熱海市では慶応義塾大学武藤佳恭(たけふじよしやす)教授とその研究グループと連携し、温泉熱を活用した低温度差発電の取り組みを行っています。環境にやさしい街として、温泉熱を活用した低温度差発電設備の常設設置に向けて、検討を進めていきます。

「温泉湯気活用の低温度差発電装置設置」

市長と武藤先生

平成24年10月5日(金)から、湯前神社境内近くの源泉(安保湯)の湯気と水の温度差を活用した低温度差発電装置を設置しています。発電した電力を湯前神社境内まで約40m送電し、4つのアプリケーションを稼動させています。

発電装置設置のセレモニーとして、10月5日にはオープニングセレモニーを開催し、慶応大学 武藤佳恭 教授と齊藤栄熱海市長をはじめ、多くの関係者と報道関係にお集まりいただきました。

■これまでの取組みとの違い
 ①「温泉」そのものの熱を利用していたが、「温泉湯気(湯けむり)」の熱を活用。
 ②発電装置とアプリケーションの設置期間は最長2週間程度であったが、半年間常設し誰もが気軽に 訪れるパブリックスペースで実施するのは初めて。 
 ③4つのアプリケーションを同時に設置するのは熱海市の取組みでは最多。特に「見て、聞いて」の体験型アプリケーションを意識。




低温度差発電装置外観

低温度差発電装置

 今回の装置は源泉から発生する温泉湯気(約100℃)と水道水(約20℃)との温度差を利用し、温度差を電気に変換するゼーベック素子(熱電素子)で発電しています。
 装置の構造は、熱電素子であるゼーベック素子(4cm四方)の両側にヒートパイプ各5本を1ユニットとして5連にした装置で約15Wの発電をしています。。

アプリケーション

アプリケーション

①横波スピーカー
  韓国の地下鉄で実用化した武藤教授の横波スピーカー。音の減衰が小さい、消費電力が従来のスピーカーの1/100といった特徴をもつ。「発電の仕組み」と熱海温泉の発展の礎である設置場所「湯前神社の由来」についてガイダンス。

②無料充電ポスト
  無料でスマートフォンの充電が可能な設備

③無線ルーター
  湯前神社の境内ではWi-Fiを無料提供

④LED電灯
  3Wの電灯を24時間点灯

※ 現在しばらくの間、メンテナンスのため、一部稼動しないアプリケーションがあります。ご容赦ください。

低温度差発電のメカニズム

温度差を電流に変えるゼーベック効果は、今から190年ほど前にトーマス・ゼーベックによって発見された原理。武藤教授はこの原理を活用して温泉の熱と水との温度差を活用した低温度差発電装置の開発に取り組まれています。 
注目すべき点は、この発電装置は熱電素子として発電専用のゼーベック素子を利用し、ヒートパイプを素子に接続して熱伝導体とすることで、熱源の真の温度差が伝わったときの温度差を生むだけではなく、均一に伝えることが可能となっています。
今回の装置では、熱電素子であるゼーベック素子(4cm四方)の両側にヒートパイプ各5本を1ユニットとして5連にした装置を利用しています。 

低温度差発電しくみ

湯気発電のパネル展示 in マリンスパあたみ

展示風景

温泉湯気を活用した低温度差発電装置を現在、湯前神社境内と隣接する源泉地に設置しています。(平成24年10月5日~平成25年3月29日)

「この温泉を活用した低温度差発電の取組みを、スイミング教室を利用するお子さんをはじめ、多くの市民の方にも興味をもっていただきたい」ということで、マリンスパあたみの展示スペースにてパネル展示を行っております。
湯前神社境内で直接体感していただくのももちろんですが、マリンスパあたみに行かれる方は、パネル展示でもご紹介していますので、是非ご覧ください。

温泉熱を利用した低温度差発電講演会の実施

低温度差発電実験

平成24年5月11日、慶應義塾大学環境情報学部武藤佳恭教授による「温泉熱を利用した低温度差発電と熱海の活性化」をテーマに講演会を開催しました。この講演に先立ち、温度差を与えると発電する性質を持つゼーベック素子を組み込んだ低温度差発電や新たな発想で作った横波スピーカーの実験が披露されました。100℃のお湯と水道水との温度差で5Wを発電し、LED電球4個を点燈させたほか、非常時に活用が可能なろうそくと空気の温度差で発電するユニットによるLED電球の点燈、混雑時にも広範囲まで音が届く横波スピーカーの実験が行われました。 講演では、武藤教授より「これまでも市内の温泉を活用し、低温度差発電装置の実証実験を行ってきた。低温度差発電装置を使った無線LANや携帯電話等の充電ポスト設置し無料で提供すれば、話題性があり観光面でもよいのでは。」と提案されました。また、「誰もやっていないことをやれば、世界初になる。熱海もそのような取組みをやれば、集客にもつながる」と来場者に訴えかけられました。

エコクリスマス・イルミネーション

低温度差発電によるクリスマスイルミネーション

平成22年12月13日(月)から25日(土)の期間、日航亭・大湯にて温泉熱を利用した発電によるクリスマス・イルミネーションの実証実験を行いました。
 この実証実験は、熱海市発「温泉イノベーション」という産学官連携の地域活性化プロジェクトの一環として、慶應義塾大学環境情報学部 武藤佳恭 教授と、その指導の下で低温度差発電装置の開発を行なっているサイエンスパーク(株)のご協力により、LED電球100個を点灯させ2基のクリスマスツリーを装飾し、24時間継続点灯によるデータ取得を目的として行なったものです。

 今回の実験では5ワットタイプの温度差発電装置が使用され、ゼーベック素子1枚と温泉熱と水温の双方から熱を伝導させる金属で構成されています。温泉熱は80℃、水温は15℃であり、65℃の温度差で外部電源を使わずに赤色のLED電球100個を点灯させました。この実証実験の結果を踏まえて、実用化に向けた常設型の事業展開を検討していきます。

温泉熱を利用した公開実験

武藤教授と齊藤熱海市長が硬い握手

平成22年11月11日(木)に温泉と水道水の温度差を利用した低温度差発電の公開実験が慶應義塾大学環境情報学部 武藤佳恭教授により日航亭大湯で行なわれました。昨年8月、日航亭大湯で行なった実験では、半導体のペルチェ素子2枚を使用した発電装置で5Vの発電に成功し、LED12個で組み立てた照明灯6個を点灯させましたが、この日は、2個の照明灯をつける公開実験が行なわれました。武藤教授は、「捨てられている温泉の熱から電気を生み出す画期的な取り組み、二酸化炭素の削減にもつながる」と新たな発電システムについて語りました。

会場を移動した起雲閣では、プレゼンテーションに先立ち、「温泉イノベーション」共同事業の成功を祈念して、武藤教授と齊藤熱海市長の固い握手が交わされました。

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